CCCDについて

(以下の文章はあくまでもCaiが知りうる限りの情報を元に書いたものです。内容には万全を期していますが、誤った情報が書かれている場合もあります。)

発売当初物議を醸したCCCD(Copy Control CD)。音楽業界では好評のようだが、消費者やハードメーカーにはえらく不評である。
CCCDとは何か、そしてその問題点についてまとめてみよう。

1.CCCDとは?

CCCDとは日本では2002年3月に初めて登場したコピープロテクトCDのことである。
ところがこのCCCD、本来ならばCDと呼んではいけない代物である。CDとは、規格化されたRed Book、Orange Book、Yellow Bookなどのいずれかを満たすディスクのことを言う。音楽ディスクの場合、1981年にソニーとフィリップスにより規格化されたRed Bookに適合するディスクのみをCDと呼ぶことができる。これをCD-DA(Compact Disk Digital Audio)といい、これを満たすディスクはCD-DAのロゴをつけることが認められている。また、Red Bookは全ての規格書の前提となるもので、他の規格書はRed Bookの拡張規格である。
Red Bookには1秒間75フレーム、サンプリング周波数44.1kHz、1フレームPCM16bit2352bite、エラー訂正としてCIRCを用いるなど厳密な規定がある。 これから外れたものはCDと呼ぶことは許されない。

ここでCCCDについて見てみよう。これは、音楽データに対して意図的にノイズを入れることで「通常のプレーヤーではエラー訂正機構によって再生可能であるが、PCでは再生不能にする」というものである。これはCDSと呼ばれる技術で、エイベックスでは200.0.4を採用しているようである。さらにエイベックスではWindowsマシンでは再生可能になるように専用の再生ソフトを埋め込んでいる。

ここまで呼んでおわかりだろうか。CCCDはCDと呼んではいけないのである。外見はCDそっくりな偽物、CDもどきである。Red Bookでは規格外の技術の採用を認めていない。CDSはRed Bookには規定されておらず、CCCDをCDと呼ぶことは許されない。事実、この点についてはレコード会社も認めているようでCCCDにはCD-DAのロゴは印刷されていない。

2.CCCDの問題点

さて、問題はここからである。家でCCCDを聞こうとしても聞けない。こんな話が現実に起こりうるのである。
先に述べたようにCCCDはCDではない。そしてCDプレーヤーのメーカーはCD-DAを再生できるプレーヤーを作っている。これでは再生できなくても当然である。
また、再生できたとしても、CDSの根本は意図的に入れたノイズにあるので、プレーヤーはそのノイズに当たるたびにサーボを微調整し、データを正確に読みとろうとする。もともと不正確にされているデータをである。これを繰り返すことでプレーヤーの駆動部にも大きな負担がかかり、寿命が縮む可能性もある。
このような現状からか、CCCDの再生について保証しているメーカーは存在せず、明確にサポートを拒否している会社もあるようである。

さらにPCでは音楽CDとして再生することは不可能である。
Win機ならば専用プレーヤーが勝手にインストールされて聞くことができる(もっとも圧縮音源であるが…)。ただしこのときメッセージは何も出ず、レジストリも勝手に書き換えられる。まるでスパイウェアである。
Macでは一切聞くことはできない。
また、マウント時に失敗することも多く、ドライブに過度の負担を与える可能性が高い。

また、CDからMP3などに変換するという、私的利用として著作権法上認められるはずの行為も不可能だそうだ。ただしMDへの録音は可能であるらしい。いずれにしてもJASRACが「CDからMDへの複製も著作権法違反だ」(MDレコーダやMDディスクの価格には著作権の補償金が上乗せされているはずなのだが)などと言ってるほど著作権法が歪曲解釈されている世の中である。いずれあらゆる形での録音が規制されていくのであろう。

これだけ問題のあるCCCDだが、万が一通常のプレーヤーで再生できなくても返金などには一切応じないらしい。消費者は普通のCDと思って買い、家に帰ってプレーヤーにかける。しかし何故か再生できない。そこでよくパッケージを見ると「これはCDではありません」と書いてある。レコード会社に問い合わせると「返品には応じられません」。こんなことが許されるのであろうか。

3.まとめのようなもの

CCCDは当初エイベックスから発売されたが、東芝EMIなども追随する動きを見せている。たしかに海賊版が大量に出回っていることは否定できないが、そのために一般の消費者に著しい不都合を及ぼすことが許されるはずはない。レコード会社やレコード協会、JASRACはもっと消費者の方を見るべきであろう。

P.S.

なんだかCCCD、プロテクト効果がほとんどないみたいです。CD-Rに焼けたという報告がネットのあちらこちらに見られます。あれだけ大騒ぎした割には無意味だったみたいですね。

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